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2004年12月23日 (木曜日)

ジュビロ磐田の凋落

 2004年のJリーグで一番の驚きは第2ステージでのジュビロ磐田の成績であろう。第1ステージ2位(11勝3敗1引分)だったのが、第2ステージは一気に13位(3勝7敗5引分)と急降下したからである。なぜこのようになったのであろうか考えてみたい。なお、これは私見であり、試合を見てなく成績で判断して書いている。
 私はいずれはジュビロ磐田は凋落するだろうなとは思っていた。しかし、こんなに早く凋落するとは予測できなかった。来年あたりかなと思っていた。直接の原因は、天皇杯優勝によるオフの短さや今年のAFCチャンピオンズリーグ出場による過密日程に加え、今年の夏の異常な暑さが選手に影響を与えたのであろうが、日程は横浜F・マリノスはそれ以上試合を消化したにもかかわらず、第1ステージは優勝し、第2ステージも悪い結果ではなかった。夏の暑さも磐田地方だけが特別暑かった訳ではない。他にも理由があると思う。私はチーム及び選手の「勤続疲労」が大きな原因ではないかと感じている。
 勤続疲労はプロ野球の投手では珍しいことではないと思う。現役選手の代表例は佐々岡投手(広島東洋カープ)だと思う。新人の年の1990年に13勝をあげ、翌年の1991年は17勝でMVP・最多勝・最優秀防御率を獲得した。その翌年の1992年も12勝をあげたが、1993年には5勝17敗と低迷する。これはやはり過去3年間の勤続疲労が4年目の1993年に出たという典型的な例であろう。佐々岡投手はその後抑えに転向し、1996年は23セーブ、1997年には21セーブをあげ復活を遂げたが、翌年はまた不振に落ちいる。しかし、1999年に先発で15勝と再復活した。プロ野球の投手の場合、4年連続で活躍する選手は最近はあまり見当たらないように思う。その意味で現在日本のプロ野球選手の現役投手で上原投手・松坂投手・岩瀬投手・かつての桑田投手はスゴイの一言である。
 これと同じような例はこれも野球の話であるが、高校野球で2大会以上大活躍した投手がプロ野球でも大活躍する例は非常に少ない。これも高校時代の勤続疲労が響いているのではないかと思う。まあ、この場合別の理由もあるかとは思うが。
 ジュビロ磐田の場合、ここ数年間はほとんどメンバーに大きな変更はないと思う。ほぼ固定されたメンバーでリーグ戦・カップ戦・国際試合を戦い、一部の選手は代表でも戦う。これでは勤続疲労が起こってもおかしくない状況にあったと思う。同じようにチームも選手に力があるためにほぼ固定メンバーで戦うため、控え選手との差が大きくなり、柔軟性が失われていったと思う。
 昨年の開幕戦、横浜F・マリノスに2対4で完敗した時点でチームとして下降線に入っていたのではと思う。昨年は柳下監督の采配やグラウ選手の大ブレークで何とか下降線を最大限食い止めていたと思うが、今年は第1ステージ中盤までは守備陣の奮闘で首位をキープしていたが、第10節の横浜F・マリノス戦の敗戦から流れがおかしくなり、結局第2ステージもその流れ断ち切ることができず、しかも記録的な暑さも手伝い、低迷していったと思う。
 最後に私がJリーグの勤続疲労だと思っている例をあげて今回は終わりにしたいと思う。それは2001年の横浜F・マリノスである。前年の2000年第1ステージ優勝したが、チャンピオンシップで完敗。その流れを引きずったまま、翌2001年はあわや降格かと思うほどの低迷。横浜フリューゲルスとの合併以後、出場選手も大幅な変更はなく(特にDF)、現在のジュビロ磐田と似たような状況にあったと思う。そこで翌2002年シーズンに向けて横浜F・マリノスは補強に動く。得点力不足(2001年は横浜F・マリノスは得点は最下位)解消のためコンサドーレ札幌から2001年の得点王ウィル選手を獲得、退団した2001年のレギュラーDF小村選手(現サンフレッチェ広島)の代わりに、紆余曲折あったが東京ヴェルディ1969から中澤選手を獲得した。特に中澤選手はまだ若く、守備陣の若返りに貢献した。当時中澤選手の移籍は非常に驚き、感心してしまった。この補強が2003年以降へとつながっていたと思う。来年ジュビロ磐田はユースから6人昇格すると聞く。移籍だけが補強ではない。

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コメント

 ユースは12月26日のJリーグユース選手権の決勝は鹿島アントラーズユース対サンフレッチェ広島FCユースとなり、残念ながらジュビロ磐田ユースとの3回目の決勝対決はなくなりましたが、いい選手が揃っていると思います。今後はこの世代(2歳上まで)を中心としたチーム作りを早急にやったほうがいいと思います。
 岩隈選手問題については正式なトレードになってからここに書こうと思います。

投稿: ゆみしん | 2004年12月24日 (金曜日) 08時06分

 お二人ともコメントが深い!!なんか、ジーンと来ました。私はまだまだジュビロの監督にはなれません。何に取り組むのも同じなのだと思いますが、スポーツはシンプルに、そしてシビアにその結果が出てくるというところも注目してしまう理由の一つです。私も素直さと努力を・・・と思うのですが、なかなかね。。
 ジュビロ・ユースは良い選手がいるようです。J2同様、サテライト、ユースはノーチェックなのですが、熱狂的なジュビラーはちゃんとチェックしているようで、オタクを名乗っているたけまさっちも修行が足りないと反省した次第でございます。
 岩隈選手、楽天に落ち着きましたね。

投稿: たけまさ | 2004年12月24日 (金曜日) 01時32分

 私見を述べますと、ジュビロ磐田は移籍による補強ではなく、新入団選手によるチーム作りをしていかないと、将来が危ういと思います。幸いにユースから6人昇格するなど、そのあたりは考えているのかなとは思います。今の日本代表クラスの選手を放出して、来年は我慢の年にしたほうが将来のためではと感じています。
 勤続疲労の件では、のぶりんさんのご意見は、高校野球で2大会以上大活躍した投手がほとんど大成しない「別の理由」はこれだと思っています。ちなみに、私が感じている「勤続疲労」でダメになった選手は、荒木投手が代表でしょうか。「別の理由」でダメになった選手は、川口投手・三浦投手(知ってますか?)が代表的ではないでしょうか。両方の理由でダメになった選手は、水野投手が代表的でしょうか。
 プロ野球投手の「勤続疲労」はやはり打者のレベルアップによる投手の変化球割合の増加と体力消耗が主な原因ではないかと思っています。

投稿: ゆみしん | 2004年12月23日 (木曜日) 21時10分

「たけまさっちFC」ですか?(^^;
プロスポーツは「絶対自分はあそこにいれないけど、もしいたら・・・」って感情移入出来るところが楽しいんですよね!私もかな~り語り派ですから・・・(^^;。
で、「勤続疲労」の話ですが、私はちょっと違った感じ方をいつもします。活躍した選手が活躍できなくなる理由は、「努力を怠る様になる」事と「人の助言を聞けなくなる」事が大きいと思います。「俺ってイケるやん!」と思ってしまったら成長どころか現在を維持することも難しくなるはず。謙虚な気持ちのまま努力し続けられる人間になりたいものです。

投稿: のぶりん | 2004年12月23日 (木曜日) 09時08分

すかさず、レシーブしてしまいます。ゆみしんさんの分析は冷静で緻密で当たっています!確かに2003シーズンもその前ほどの強さはありませんでした。あのときから下降線だったのか・・やはり、補強が必要ですね。マリノスやレッズのような選手層の厚さが必要です。その点に関しては山本監督はプロだと思います。あとはジュビロがどこまでお金をかけられるか。FW獲得に走っているようなのですが、それも至極当然。しかし親心(?)としては、慣れないポジションでここまで成長した前田がかわいそう。いや、でも前田は中盤での方が才能を生かせるので、名波の後を次ぐべく中盤で開花してもらいましょう。FWやったりボランチやったりの福西はスーパー・ボランチに固定。そうすると藤田はやっぱり左サイドにということになるのかしら。本人はトップ下が良いらしいが。・・と自分の好きにポジション決めするのってとても楽しい(^^;。世代交代を上手にやって欲しいけど、ジュビロカラーはそのままであって欲しいと願ってやみません。と、かなり本気のコメントでした。サッカーをグローバルにみているゆみしんさんには、なんのこっちゃ?ですよね~、ごめんなさい。でも、一度こういう勝手な書き込みをしてみたかったのです。許して頂いてありがとうございます。
野球はからっきしですので、のぶりんさんにお任せ。

投稿: たけまさ | 2004年12月23日 (木曜日) 00時40分

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